シアトルのヘリポートから、
お客を乗せたヘリコプターが飛び立った。
しかし、ヘリは嵐に巻き込まれ、通信機器も計器も故障し、位置すらわからなくなった。
そうこうしているうちに、目の前に大きなビルが見えた。
ヘリのパイロットは、お客に頼み、大きな紙にメッセージを書いてもらって、
ビルの中で働いている人たちに見えるようにした。
「ここはどこですか?」
ビルの中の何人かが、ヘリとそのメッセージに気づいた。
彼らはホワイトボードに大きな字で返事を書き、ヘリに見えるように窓際に置いた。
「あなたたちは、ヘリの中にいます」
ヘリコプターのパイロットは、そのメッセージを見ると、ニコリと笑ってビルに向かって手を振り、飛ぶ方角を変えた。
客は、不思議そうに、パイロットに尋ねた。
「あんな答えで、何がわかるんですか?」
パイロットは笑いながら答えた。
「あの答えで、あそこがマイクロソフト社のサポートセンターだとわかったので、このまま北東に飛べばヘリポートに帰れます。え?どうしてマイクロソフト社だとわかったかって?マイクロソフトの回答やヘルプの説明はいつも完璧で正しいのですが、こちらが必要としている情報が欠けたあのような役に立たないものしか返ってこないので」。