(その1)
訪問販売の販売員が、1件の家の玄関で、ベルを鳴らした。
やがて、扉が開いた。
そこには、ふてぶてしい表情の12歳くらいの男の子が立っていた。
男の子は、すっかりくつろいだ様子で、左手に缶ビールを持ち、右手に火のついた葉巻を持っていた。
販売員は男の子に向かってたずねた。
「坊や、ママは、今、お家の中にいるかな?」
男の子は、缶ビールをひと口飲み、葉巻の灰を指でトンと落として答えた。
「いると思う?」
(その2)
一人の女性が、ショッピングセンターで財布を落とした。
一人の少年がそれに気づいてその財布を拾い、しばらくして女性を追いかけて財布を渡した。
女性:「ありがとう。おかげで助かった。でも、不思議ねえ。中に20ドル札が1枚入っていた筈だけど、それが1ドル札20枚になってるわ」
少年:「はい。前回他の人の財布を拾ったとき、お礼に渡す小銭が無いと言われてしまったので、両替しておきました」