アンナは小学校でいじめ対策や生徒の心のケアといった生活指導を担当していた。
ある日、アンナは、休み時間に校庭で小さな異変に気付いた。
大勢の子供たちがサッカーをして楽しそうに遊んでいるのに、
生徒の一人のミケイラだけが、みんなから離れて校庭の隅で、淋しそうに一人で立っていたのだった。
翌日、アンナはより注意深く、休み時間に校庭の様子を見てみた。
やはり大勢の生徒たちがサッカーをして遊んでいたが、
昨日と同様に、ミケイラだけが、みんなから離れて、ポツーンと一人で立っていた。
アンナはその様子を見て、胸を締め付けられそうになった。
教師として、これはなんとかしてあげなければ、と思ったアンナは、校庭に出た。
そして、ミケイラに歩み寄り、彼女の小さな手を握って、笑顔を作り、明るく話しかけた。
アンナ: 「ねえ、ミケイラ!先生と一緒に遊ばない?」
ミケイラ: 「え?先生と??」
そしてアンナは、とまどうミケイラの手をひっぱり、ブランコの近くまで歩きながら、一体何があったのか探るため、さりげなく尋ねてみた。
アンナ: 「ところでミケイラ、みんなから離れて、何をしていたの?」
ミケイラ: 「ゴールキーパー」