新興宗教の教祖と弟子が、大きなサインボードを掲げて、人通りの少ない街の外れの道路の脇に立っていた。そのサインボードには、次のように書かれていた。
「破滅は近い。悔い改め、引き返せ」
そこへ1台のクルマが通りがかった。
教祖と弟子は、通過しようとしていたそのクルマを見て、サインボードを振りながら停めた。
運転手:「なんの用だ?」
教祖:「我々は神様のつかいです。破滅への道を進むのは止めにして、悔いを改め、共に祈りましょう」
運転手:「なんだ、変な宗教の勧誘かい。俺は先を急いでいるんだ。またな」
ドライバーは再びクルマを走らせ、去っていった。
しかし、しばらくして、そのクルマが激しくクラッシュする音が響き渡った。
その音を聞きながら、弟子は教祖に向かってこうつぶやいた。
「素直に、『その先の橋は壊れています』と伝えた方がいいんじゃないですかねえ」