地方からやってきた医者がマンハッタンで開業した。
しかし、患者は一向に来ない。
困った医者は、思い切って次のような広告を出した。
「診察1回につき一律40ドル。ただし、治らなかった場合は100ドルお支払いします」
一人のヒマな男がその広告を目にした。
そして、これは簡単に100ドル儲けるチャンスだと思ってほくそえみ、その開業医を訪ねた。
男:「先生、どうも舌が麻痺したみたいです。何も感じないんです」
医者は男の舌をじっくり診察した後、液体を一滴、男の舌の上に垂らした。
男:「うわ、なんだこれ!ガソリンじゃないか」
医者:「おめでとうございます。治ったようですな。費用は40ドルです」。
手っ取り早く100ドル儲けようと思っていたのに、結局40ドル払うことになった男は悔しくてたまらない。そこで翌週、またこの医者の元を訪ねた。
男:「どうも、記憶が無くなったようなんですよ。何も思い出せないんです」
医者は男の舌をじっくり診察した。
そして、今回もまた、液体を一滴、男の舌の上に垂らした。
男:「うわ、なんだこれ!先週くらったのと同じ、ガソリンじゃないか」
医者:「おめでとうございます。記憶が戻ったようですな。治療費は40ドルです」
うまくだまして100ドルせしめようとしたつもりが、逆に2週続けて合計80ドルを払うことになった男は悔しくて悔しくてたまらなかった。
男はリベンジに燃えた。
そして、翌週、また現れて、今度はこう言った。
男:「先生、どうも視力がだいぶ弱ったみたいで。何も見えなくなったんですよ」
医者:「はて、それは困りましたな。うーん、今度は治し方がわからない。降参です。100ドルお支払いしましょう」
医者はそう言って、財布からお札を1枚取り出して男に渡した。
しかし、それは約束の100ドル札ではなく、10ドル札だった。
男:「先生、これは100ドル札ではなく、10ドル札ですよ!」
医者:「おめでとうございます。目は治ったようですな。料金は40ドルです」