ジョークの花園 ~面白いアメリカンジョークを日本語で~

英語のジョーク(Joke)から秀逸なネタを選び、独自にアレンジして日本語でご紹介。ブラックジョークやちょっぴりエロいアダルト系の小ばなしも含まれることをご了承ください。ユーモアは心の潤滑油。気軽にお楽しみください。

(今日のジョーク)白雪姫 ~その2~

白雪姫は80歳になった。

長年連れ添った夫の王子様は昨年亡くなり、寂しい生活を送っていた。

老いた白雪姫はひざの上に飼い猫のジョンを乗せ、木の椅子に座って、お城のベランダから外を眺めていた。

 

そこへ、小人の妖精が現れた。

妖精は、寂しそうにしている白雪姫に、かつて、小人の仲間たち7人がお世話になった礼を言い、「あのときの恩がえしとして、願い事を3つかなえてあげますので、何なりとお申し付けください」といった。

 

最初、白雪姫は、半信半疑だった。

そこで、一つ目のお願いとして、「この木製の椅子を金の椅子に変えてみてください」と頼んでみた。

 

小人の妖精は、「お安いご用です!」といって、魔法の杖をひと振りした。

 

すると、空に稲妻がとどろき、白い煙に包まれた木製の椅子は、純金の光り輝く椅子になった。

白雪姫は目を丸くし、驚いた飼い猫のジョンは白雪姫のひざの上から転がり落ちた。

 

「どうです?さあ、2つ目の願い事を言ってみてください」と小人の妖精は言った。

 

今やしわと白髪だらけになって老いていた白雪姫は、すがるように言った。

「私を、美しかったあの20歳の頃のような若さに戻してください」

 

小人の妖精は、「お安いご用です」といって、「えい!」という掛け声とともに、また魔法の杖をひと振りした。

 

白雪姫は虹のような光に包まれ、気が付くと、若くて美しい20歳の頃の容姿になっていた。

 

「残るはあとひとつです。どんな願いごとになさいますか?」と小人の妖精は微笑んだ。

 

「では、そこにいる飼い猫のジョンを、若い美男子の王子にしてください」と白雪姫は言った。

 

「いいですよ。そーれ!」と小人の妖精は三たび魔法の杖を振った。

 

飼い猫のジョンは宙に浮き、パーンと大きな音がしたかと思うと白い煙におおわれた。

そして、白雪姫が気が付くと、そこには長身でマッチョな美男の若い王子が立っていた。

 

「これでご満足いただけましたかな?」と言いながら、小人の妖精は笑みを浮かべ、やがて姿を消してしまった。

 

若い王子になった飼い猫のジョンは、白雪姫に歩み寄り、キスをした。

そして、ほほを赤くした白雪姫に向かって、ジョンは悲しそうにこう言った。

 

「ああ、愛しの白雪姫様。あなたはきっと、3年前に私が去勢手術を受けたのを忘れていたのですね」

 

 

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