一人の男が、町のアンティークショップで、古いネズミの置物を見つけた。
男は棚でホコリをかぶっていたその置物を手にとった。
小さいが、ブロンズ製で、手にずっしりと重みがあった。
男はそのネズミの置物が気に入り、買うことにした。
ところが、店を出るなり、一匹のネズミが後についてくる。
さらに、しばらくすると、二匹、三匹、四匹と、ネズミの数が増えた。
しまいには、町中のネズミが、ぞろぞろと男の後をついてきた。
男は驚き、焦った。
そこで、近くの橋まで歩き、橋の上から川に向かって、手にもっていたネズミの置物を投げ捨てた。
すると、男の後についてきたネズミたちも一斉に川に身を投げた。
町にはネズミが一匹もいなくなった。
おかげで、男は、町の人々から感謝された。
しばらくして、男は、不思議なネズミの置物を買ったアンティークショップに再び足を運んだ。
男:「不思議なこともあるもんでね。あのネズミの置物のおかげで、町からネズミを一掃することができたんだ」
店主:「あの置物にそんな魔力があったとは。私も知りませんでした」
男:「まさかあんなことになるとは思わなかったが、結局、ネズミがいなくなったことで町の役立ち、みんなからもとても感謝されたので、それはそれでよかったかな。ところで、ひとつ相談があるんだ」
店主:「なんでしょう?」
男:「弁護士の置物はないかね?」