一人の男が子犬を連れてバーにやってきた。
男は、連れてきた子犬を、バーの片隅にあるピアノの鍵盤の上に乗せた。
すると、なんと、子犬はすらすらとピアノを弾きだした。
店の客も、バーテンダーも、あっけにとられたが、演奏が終わると、店の中は驚きと称賛に包まれた。
続いて、男は、ポケットからヒキガエルを取り出した。
そして、そのヒキガエルを椅子の上に乗せた。
すると、ヒキガエルは、なんと、「星条旗よ永遠なれ」をアカペラで歌いだした。
店の客も、バーテンダーも、再びあっけにとられた。
しかし、ヒキガエルの歌が終わると、店は感動に包まれ、さらに大きな拍手と歓声が鳴り響いた。
歌を聞いて感心したひとりのお金持ちの紳士が、ヒキガエルをポケットにしまおうとしている男に近づき、「そのヒキガエルを売ってくれないか」と申し出た。
男は、しばらく考え、「100ドルならいいですよ」と、答えた。
紳士は喜んで財布から100ドル札を出して男に渡し、ヒキガエルを持ち帰った。
その様子を見ていたバーテンダーが、男に声をかけた。
「いいんですか?あんな珍しいカエルを、たった100ドルで売ってしまって」。
男は答えた。
「問題ないさ。この子犬は腹話術もできるんだ」。