中年のジョンがコーヒーショップで休んでいると、不思議な葬儀の行列が前を通った。
行列の先頭には、棺が2つ並んでいた。
その後ろには、犬を連れた紳士が歩いていた。
さらにその後ろには、100人以上の男が行列をつくって歩いていた。
ジョンは不思議に思い、店を出て、犬を連れた紳士に近づき、話しかけた。
ジョン:「ご不幸があったようでご愁傷様です。ただ、このようなときに失礼なのですが、このような葬式の行列は見たことがありません。一体、どなたが亡くなったのですか?」
紳士:「一つ目の棺に入っているのは、私の妻だ」
ジョン:「そうでしたか。どのようなことが原因で?」
紳士:「この犬が、かみついたんだ」
ジョン:「そ、そうなんですか。で、もうひとつの棺の方は?」
紳士:「姑だ」
ジョン:「姑さんも亡くなったのですか?」
紳士:「そうだ。犬にかまれた妻を助けようとして、彼女もかまれてしまったんだ」
2人の間に、しばしの沈黙が流れた。
ジョン:「ひとつ、お願いがあります」
紳士:「なんだ?」
ジョン:「その犬を、しばらく私に貸してもらえませんか?」
紳士:「構わんよ。ただ、順番だからね。この行列の一番後ろに並んでくれ」