老いた夫婦がいた。
夫婦には4人の息子がいた。
上の3人の息子はいずれも背が高く白い肌をしていた。
しかし、末の息子だけが、身長が低く肌が浅黒かった。
やがて夫のほうが先に最後の時を迎えた。
病院のベッドの上で、夫は息も絶え絶えになりながら、妻に顔を向けて尋ねた。
「死ぬ前に、どうしても知りたいことがある。正直に教えてくれ。4人目の息子は、本当に俺の子供なのか?」
妻は夫の手を握り、涙を浮かべながら答えた。
「もちろんよ。嘘ではないわ。間違いなく、あの子はあなたの子よ!」
男はそれを聞くと、軽くうなずいて目を閉じ、安らかな表情を浮かべて、天に召された。
残された妻は、ベッドの横でひざまずき、神に祈った。
「神様。救われました。あの人が他の3人のことを尋ねなくて」