ジョークの花園 ~面白いアメリカンジョークを日本語で~

英語のジョーク(Joke)から秀逸なネタを選び、独自にアレンジして日本語でご紹介。ブラックジョークやちょっぴりエロいアダルト系の小ばなしも含まれることをご了承ください。ユーモアは心の潤滑油。気軽にお楽しみください。

(今日のジョーク)ブロードウェイで主演に抜擢された男

一人の男優が、主役として抜擢され、ブロードウェイの舞台に立つことになった。


初演の幕が開き、彼は満員の聴衆が見守る中、演技を重ねた。

 

そのうち彼は、聴衆の中に鋭い視線を感じた。

一分のスキもないその眼光は、彼の一挙一動を見逃さず、厳しく彼の演技を追い続けた。

 

男優は演技を続けながらその視線の方向をちらりと何度か確認し、「これは名のある舞台批評家が彼の記念すべき主演デビューの演技の出来を見守っているに違いない」と、確信した。

 

彼は覚悟を決めた。

そして、観客席のその鋭い視線の主に意識を集中させた。

彼は持てるすべてを出し、初の主演の舞台で熱演を続けた。

 

やがて芝居は終わった。

劇場は喝さいに包まれ、拍手と歓声に沸いた。

 

力を出し切った男優は、ふらふらになりながらも、カーテンコールにこたえ、再びステージに登場した。

彼は、明るく照らされた劇場の観客席に向ってお辞儀をしながら、彼の演技のすべてを振り向けたあの鋭い視線の主に、そーっと目を向けた。

 

そこにいたのは、盲導犬だった。

 

 

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