一人の金持ちの男が、スペインを旅行した。
男はスペインをあちこち見て歩いて楽しんだ。
しかし、滞在が長くなるにつれ、普通のスペイン料理にだんだん飽きてきた。
そこで、ちょっと変わったものが食べたいとホテルのマネージャーに相談したところ、華街の片隅にある古くからある地元のスペイン料理店のスペシャルメニューがおススメだとアドバイスをもらった。
男は、さっそく、その店に向かった。
小さいが、こぎれいなその店で、男はホテルのマネージャが勧めていたスペシャルメニューを注文した。
すると、しばらくして、大きなボールのようなものが2つ、皿の上に載って出てきた。
男:「こ、この大きな球状のものは、いったい何かね?」
給仕:「はい、これは当店のスペシャル料理で、昨日の闘牛で仕留められた牛の睾丸です」
男は驚いた。
しかし、ナイフとフォークで小さく切っておそるおそる食べてみたところ、そのスペシャル料理は大変おいしかった。
気がつくと、男は2つともすっかり食べ終わっていた。
男:「これはうまかった。牛の睾丸がこんなにおいしいとは。明日、また来るよ」
男はそう言って満足してホテルに戻った。
翌日、男は再びそのレストランを訪れた。
そして、昨日と同じスペシャルメニューを注文した。
しかし、給仕が運んできた皿には、小さな玉が2つ、コロンと載っているだけだった。
男:「な、なんだ、この小さい玉は。闘牛で仕留められた牛の睾丸のスペシャル料理を楽しみにしていたんだが?」
給仕:「お客様、いつも牛の方が負けるとは限らないんです」