アフリカの奥地に、ヨーロッパからキリスト教の若い宣教師がやって来た。
宣教師は、古くからあるアフリカの原住民たちの村で、熱心に布教活動を始めた。
そして、村人たちに神の教えを説き、浮気や姦通はいけない、と教えた。
1年が過ぎたある日、村で既婚の女性が赤ん坊を生んだ。
村は大騒ぎになった。
赤ん坊の肌が白かったのだ。
村長が村を代表して、宣教師の元にやって来た。
村長:「お前は姦通はいけない、神の教えに背く、と教えてくれた。しかし、あの子供の肌は白い。これはどういうことだ!この村に白人はお前しかいないぞ!!」
宣教師:「き、きっと、それは白色変異だ」
村長:「なんだ、その白色変異というのは?」
宣教師:「白色変異というのは、突然変異の一種で、遺伝子の異常で色が変わるんだ」
村長:「それ、本当か??」
宣教師:「そ、そういうことって、自然界にはあるんだ。ほ、ほら、あそこの羊の群れを見てみろ。みんな白いのに、一匹だけ黒い羊の子供が混じっているだろう?」
村長は、少しうろたえながら答えた。
村長:「わかった。おまえがそこまで言うなら、そういうことにしよう。その代わり、あの黒い羊の子供のことは黙っていてくれないか。おれも、お前の子供のことはもう言わないようにするから」