共働きのアンナとパトリックは結婚10年目を迎えていた。
ある日、アンナは仕事が遅くなり、へとへとに疲れて家に帰ってきた。
そしてまっすぐ2階の寝室に上がって、すぐにベッドに倒れこもうとした。
ところが、灯りの消えた寝室のベットには一組の男女が寝ていた。
シーツの下からは、その男女の絡みあった素足が見えていた。
アンナは夫に裏切られた絶望感と怒りに震えた。
目に涙を浮かべ唇をかみしめながら、彼女は近くにあった夫のゴルフクラブを握りしめ、うめき声がしなくなるまでシーツをたたき続けた。
そして、疲れと後悔とやりきれない悲しみに包まれたアンナは、ゴルフクラブを投げ出し、呆然としながら、ふらふらと1階のリビングに降りた。
すると、そこには、夫のパトリックがソファーに座って新聞を読んでいた。
アンナ:「あ、あなた!そこにいたの!?」
パトリック:「ああ。遅かったね、アンナ。夕方、うちの両親が急に来てね。とりあえず、僕らの寝室で寝てもらったから、起こさないでね」