一人の青年が街を歩いていると、一匹のカエルが飛び出して、青年に向かってこう言った。
「私はカエルの姿をしていますが、本当は王女です。もしあなたがキスをしてくれたら、魔法が解け、私は王女に戻れます」
青年はカエルを拾い上げ、ポケットに入れて、また歩き出した。
ポケットの中のカエルは叫んだ。
「私は王女です。もしあなたが私にキスをして、元の姿に戻してくれたら、私はあなた
と結婚します」
青年は笑って、カエルをポケットに入れたまま、再び歩き出した。
「聞こえないのですが?私は美しい王女です。もしあなたが私にキスをして、元の姿に戻してくれたら、私はあなたと結婚します。そしてあなたは、不自由のない幸せな暮らしがおくれるでしょう」
青年は立ち止まり、苦笑いしてこう言った。
「あいにく、僕は女性には興味がないんだ。それに、しゃべるカエルの方が珍しくて貴重だよね」