ビリーとブライアンは野球が大好きだった。
天気の良いある日、国道の近くの空き地で、2人はキャッチボールを楽しんでいた。
ところが、突然、ビリーの投げたボールがすっぽ抜けて大きく上にそれてしまい、国道にまで飛んで行った。
そのボールはちょうど通りかかった一台の車の目の前を転々ところがった。運転手は慌てて急ブレーキをかけた。そのすぐ後ろを走っていた車も前の車の急ブレーキに気づいてブレーキをかけたが間に合わず、そのまま先に急ブレーキをかけた車に激しく追突してしまった。さらにその後ろを走っていた車も次々衝突し、合計5台の乗用車がクラッシュする大惨事になった。
さらに続いて走ってきた大型トラックは、この衝突を避けようと急ハンドルを切り、大型トラックはそのまま近くのドラッグストアに突っ込んで店ごと大破してしまった。
煙が上がり、うめき声がこだまし、サイレンが鳴り響く中、ビリーとブライアンは、ぼう然と立ちつくした。
そして、ブライアンが重い口を開いた。
「ビリー、次にフォークボールを投げるときは、手首の使い方を少し工夫した方がいいな」