高層ビルの100階にある高級バーのカウンターに一人の男が座り、ウイスキーを注文した。
男は目の前に置かれたウイスキーを静かに飲み干すと、突然、窓を開けてグラスを外へ放り投げた。
続けて男は、なんと!自分もその窓から身を投げてしまった。
それを近くで見ていた初老の紳士が、「大変だ!」と叫んだ。
しかし、しばらくして、窓から身を投げたはずの男が、グラスを持って平然と戻ってきた。
紳士はびっくりして男に尋ねた。
「あなたは、さっき、グラスを窓から捨て、さらに身を投げましたよね?ここは100階ですよ!」
男はうなずくと、また同じことをやり、今度はそのまま宙に浮いてみせた。
そして、微笑みながら手を広げ、こう言った。
「このビルは不思議な構造でね。ほら、この通り!外に飛び出しても宙に浮くんだ」
紳士はそれを見て、自分も窓から飛び出してみた。
しかし、紳士の方は宙に浮くことはなく、そのまま落下してしまった。
一方、男の方はバーのカウンターに戻って、また平然とウィスキーを注文して飲みはじめた。
この一連のやりとり見ていたバーテンダーが、カウンターの向こうで、ため息をつきながら男に言った。
「相変わらず酒癖が悪いですな、スーパーマン」