ひどい交通事故だった。
クルマに乗っていた若い男女は即死だった。
警官が駆け付け、クラッシュしたクルマを調べ始めた。
すると、草むらから一匹の猿が飛び出してきた。
警官:「お前はこの事故の一部始終を見てたのかな。お前が言葉を理解できれば、事故原因の調査は楽で済むのに」
猿は、警官の方を見上げ、うなずいた。
警官:「え!お前、もしかして、言葉がわかるのか?」
猿は、再びうなずいた。
警官:「おまえ、この事故が起きるところを見てたのか?」
猿は、また、うなずいた。
警官:「一体、何があったんだ?」
猿は、右手で缶を持ち、それを口に運ぶ真似をした。
警官:「この被害者たちは、ビールを飲んでいたのか?」
猿は、うなずいた。
警官:「他に何があったんだ?」
猿は、今度は、指を二本クロスさせ、口で何かを吸う真似をした。
警官:「この男女は、ドライブ中に、マリファナも吸っていたのか!」
猿は、うなずいた。
警官:「他に何か情報はないか?」
猿は、抱き合う恰好をした、
警官:「え!この被害者たちは、クルマの中で、抱き合いながらいちゃついていたのか」
猿は、うなずいた。
警官:「で、おまえは、そのとき、何してたんだ?」
猿は、アクセルを踏む格好をした。